日本国内に数百本ある1000m以上の対面通行トンネルは、その多くが「縦流換気方式」を採用しています。
トンネル内で火災が発生した場合、熱、煙は拡散しつつ縦流風によって風下へ流れます。
事故や火災発生により滞留する車両の乗客(利用者)は、出口抗口または避難口に向かって本坑を徒歩で避難することになりますが、
この時の避難速度は、約1.0m/s(想定する利用者によって異なります)。これに対し、縦流風速および熱煙の移流拡散速度は、
通常毎秒数メートルであり、利用者の避難速度より大きくなります。
利用者が安全に避難連絡口に到達するための避難環境を確保することを目的として、火災時に縦流風速を零とする「風速零化制御」について、詳しく説明します。